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お願いだから・・・
2003年12月16日弘史が行方不明になった。
携帯を家に置いたまま
約1週間。
会社にも行かず、家にも帰っていないらしい。
弘史の携帯を見た奥さんから
私に電話がかかってきた。
あなたたちの関係はなんとなくわかってる。
でも、今はその事を話してる場合じゃないのよ。
そこで、弘史が行方不明になっていることを聞いた。
家に戻らなくなってから3日後。
警察に捜索願を提出。
そして、おとといの夜。
私は会社で仲間と打ち合わせをしていた。
携帯の留守電に弘史からのメッセージが録音されていた。
「こんな時に思い出すのはやっぱり彩香のことなんだ。
迷惑かけるつもりはないけど、この気持ちはどうしようもないんだ。
妻もお前もいなくなって、俺はひとりでどうすればいい?
最後に一度だけ、会いたい。
また電話します」
・・・と。
昨日の夜、また電話がきた。
私はまたも打合せ中で電話に出られなかった。
留守電には
「やっと、勇気がもてました。
これでもう電話することも会うこともなくなるよ。
彩香は安心して、幸せになってください。
向こうの世界はどんなだろうな。
悩むことはなくなるんだよな。
ちょっと楽しみでもあるよ。
また巡り会えたらその時は、一緒になろう。
ありがとう。バイバイ」
・・・と。
自殺するの?
ねえ、自殺する気なの??
最後にこういう電話をするってことは
助けてもらいたいからなんでしょ?
ねえ。
きっと、あなたはまだ生きてる
どこかで必死でもがいてる。
本当に死ぬ気のある人は
もう勝手に死んでるよ。
予告電話をしてくるのは、
自分の存在を忘れないでいてほしいからでしょ?
お願い。
もう一度だけ電話をちょうだい。
ちゃんと出るから。
そして、あなたを助けに行くから。
中途半端な優しさだけど、
あなたを助けに行くから。
もう一度だけ、電話をください。
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